商品説明
デッドストックのお品です
ガラ紡シリーズは、生産ロットにより若干のサイズ誤差があります。あらかじめご了承ください。
●サイズ/約W36×H70cm
●素材/綿100%
*撮影に使われている小物は商品に含まれません。
益久染織研究所の ガラ紡の平織り木綿
当然ながら、綿花から紡いだ綿糸で織られた布が木綿です。かつてその綿糸は、手間ひま掛けて手紡ぎされて作られることも当然でした。それが、ヨーロッパでは産業革命以降、紡績機の開発が進むにつれて、均一な綿糸をより早く、より大量に作るということだけに力がそそがれるようになります。そのうち、ほんとうにふっくらとした手触りや肌触りといった綿糸特有の良さは忘れ去られそうになっていたのです。
そんな折り、明治時代の日本では松本の臥雲辰致(がうんたっち)さんというお坊さんが西洋の技術に頼ることなく日本元来の伝統作業をヒントに純和製の紡績機械を発明しました。ガラガラと音を立てながら仕事をするので「ガラ紡績機」と呼ばれていますが、仕組みが単純で、手紡ぎにきわめて近い糸ができる機械として知られています。ところが、現代の工業用紡績機に比べると数百分の一の速さでしか糸紡ぎが出来ないというのんびりした機械であるため、今やガラ紡専門の紡績工場は国内で数件だけになってしまったのだそうです。
さて、「益久染織研究所」は、ふんわりと柔らかな自然の風合いを持つほんとうの木綿布にこだわり続ける奈良県の会社です。所主の廣田益久さんは、自然の恵みを生かす布作りを続けるには、結局昔の人が普通にやってきたことを見習うしかないと言います。特別なことは何もしていないのです。ただ、大事に手間ひま掛けて作ることが、大切に使っていただけることにもつながるはずと考えていらっしゃるのです。
益久染織研究所では、そのガラ紡糸をまたまた古い力織機で時間をかけて布に仕上げます。時間をかけるということは、糸に負担をかけないということでもあります。ガラ紡糸は柔らかすぎて、負荷をかけながら織る現代の織機に向かないという理由もありますが、ふっくらと仕上げた糸の風合いを生かすには、仕事が遅くないとだめなのだそうです。